集英社「少年ジャンプ+」で連載されていた原案：イーピャオ、漫画:小山ゆうじろうによる新鋭ウェブコミック「とんかつDJアゲ太郎」。
連載が始まるやいなや、ネット上で絶大な支持を集めた伝説のギャグ漫画が満を持して実写映画化！
主演のアゲ太郎を演じるのはコメディ初挑戦となる北村匠海さん。アゲ太郎が憧れるマドンナに山本舞香さん。そして、アゲ太郎の師匠となるDJには伊勢谷友介さんという豪華な顔ぶれ。
SNS上でも公開前から期待爆アゲ中のこの作品。
公開を前に、3人のスペシャルインタビューをお届けします。
繊細な演技力をもつ北村 今回はテンションアゲアゲのお調子者
先日、本編映像解禁となった『とんかつDJアゲ太郎』。
特報の「とんかつもフロアもアゲられる男になる」とランニング姿に短パンで渋谷を駆け抜ける北村匠海さんの姿に驚き、思わず吹き出したという人も多いはず。
北村さん初コメディ作となる本作は、老舗とんかつ屋の跡取り息子アゲ太郎が、ある日弁当の配達でクラブに足を踏み入れたのをきっかけにDJを目指し、とんかつと音楽で人を幸せにする道を模索し始めるというストーリー。
これまで『君の膵臓をたべたい』などで繊細な演技力を評価されてきた北村さんのイメージを覆す、テンションMAXなお調子者アゲ太郎に注目が集まっている。
北村 正直、最初は戸惑いもあったし、バカで一直線のアゲ太郎のテンションに合わせるのに必死でした。初コメディ、単独主演というプレッシャーもあって自分で自分を追い込んでた部分はあります。
その様子に「側で見ていても大変そうなのが伝わってきた」と話すのはマドンナ役を演じた山本舞香さん。
山本 ずっとハイテンションなキャラクターだから大変そうだなって。でもDJプレイのシーンは単純にめちゃくちゃかっこよかったです。
北村 いやいや、めちゃくちゃ笑ってたでしょ！
山本 そんなことないですよ！ こんな一面もあるんだなって、新しい北村匠海が見られましたね。JR SKISKIのCMで共演したのがお互い17歳のときですから、成長したなって（笑）。
北村 ほら、笑ってる。ひとりだけ違う視点で見てるんですよね。（笑）
そのやりとりを見ながら「いいなぁ」と笑うのは、アゲ太郎の師匠であるDJオイリーを演じた伊勢谷友介さん。
伊勢谷 2人は昔から一緒だったんだもんね。現場でもみんな楽しそうで。いいなぁって眺めてましたね、僕は（笑）。でもパワフルに人生を広げていく若者たちの姿から、見てるだけで幸福感や高揚感をもらえました。
山本 私たちのことをちょっと遠くから見守ってくれてる伊勢谷さんって本当にかっこいいんですよ。それに伊勢谷さんは知識が豊富だから、みんな話が聞きたくて休憩になるといつも伊勢谷さんのとこに集まってました。
実際に、DJの経験もあるという北村さんと、DJを見続けてきた伊勢谷さん。
伊勢谷 もうね、20代はずっとクラブで過ごしましたから。その経験がやっと身になりましたよ（笑）。僕がみてきたDJの楽しい部分、こうやったら楽しいだろなと思ったことが演技に生きてるかもしれませんね。でも自分はDJのトラック準備してつなげてっていうのは向いてないので、やっぱり役者の方がいいですけど（笑）。
北村 僕が所属するDISH／／のメンバーがDJをやっていたりもするのでもともとDJを身近に感じることもあって。アゲ太郎とはジャンルが全然違うんですけど、HIPHOP系のアゲ太郎はスクラッチしたり派手な技も多い。それは初体験でした。
山本 アゲ太郎の選曲は独特。でも新しい曲から懐かしい名曲まで集まっていて、それを聴くだけでも楽しい。
北村 劇中でオイリーさんが言ってたんですけど、自由なんです。どんな曲をかけてもいいし、どんな人がいてもいい。改めてDJの自由度をアゲ太郎を通して学ばせてもらいました。
人生のターニングポイントは？3人に聞いてみた
配達で訪れたクラブで高揚感を得てDJを目指すことになったアゲ太郎。そのような、人生のターニングポイントがなかったかについて伺うと。
北村 ひとつ挙げるとしたら、やっぱり学園もので同世代と共演したことが大きいですね。
伊勢谷 いいよね、みんなイチャイチャしてたんでしょ？ 俺は恋愛作品やったことないもんな…。
北村 イチャイチャじゃないですよ（笑）！ 僕は青春群像劇系ですから。
伊勢谷 でも舞香ちゃんは壁ドンとかされちゃってたんでしょ。いいよねー、俺がしたら脅迫になっちゃう。
山本 殺されるのかなって思うかも（笑）。
伊勢谷 俺の転機は、是枝監督と出会って映画にのめり込むきっかけをもらったけど、それ以外で言えばスノボかな。バイクでサーキットを走るのもそうなんだけど、それって今、目の前のことだけに集中できるの。
人間つらいのは未来の心配と過去の後悔をしてるとき。だからね、目の前のことに集中できる遊びと出会えたことは僕にとって大きな出来事なんです。
山本 深い…。伊勢谷さんのお話を聞くと私も趣味が欲しいって本気で思います。私はこの仕事をやりたくて始めたわけではなかったから、求められたらそれに100％で応えようと、それだけを考えて9年間続けてきた。
それで、初めて最近出演したドラマで「この役は私以外にはやってほしくない！」と思っている自分に気づいて…。自分の中で芝居に対して気持ちがちゃんといい方向に向いてきたんだなって感じました。もちろん、アゲ太郎の苑子役もそうですよ！
「マイナスにマイナスを掛けたらプラス」ミスのリカバー法
DJへと突き進むアゲ太郎だが、途中大きな挫折を味わうことになる。そこからクライマックスに向けてどうリカバーするかもこの映画のみどころのひとつ。3人にもミスしたときのリカバー法を教えてもらうと。
北村 僕は数学って理に適ってるなと思うんです。マイナスにプラスを掛けてもマイナスじゃないですか？ それと同じで落ち込んだときにお風呂入ったり、音楽で気を紛らわせるような目先の “プラス” ではあまりリカバーにならなかったりする。
だから僕はしっかりと落ちてる自分を自覚してとことん落ちます。そうしたらあとは上がるだけだから。マイナスにマイナスを掛けたらプラスになるのと同じ考えですね。
伊勢谷 俺は挫折禁止がモットーなんですよね。だから悩まないって癖があるんです。そのためには課題を特定して、改善すべき方法を見つける。すると行動の軸が決まるから、それに沿ってとりあえずできるところからやる！そんな風に整理して考えます。
山本 私も整理しますね。最近はひとつの作品が終わったら携帯も変えて、連絡先もラインも全部変えてまっさらな状態にしちゃいます。一回全員を遮断して新しく始めるというか…。だから今、匠海くんも伊勢谷さんも連絡先知らない（笑）。
北村 それじゃ連絡取れないはずだよ！（笑）。
終始笑いの絶えない3人の姿から現場の雰囲気を垣間見ることのできた。本作には、伊藤健太郎さんや加藤諒さん、栗原類さん、そしてアゲ太郎の父にはブラザートムさんと豪華なキャスティングも話題に。
北村 お調子者だけどすべてに全力で一直線なアゲ太郎と、それを支える人たちのアツい友情や家族愛にも注目して楽しんでもらえたら嬉しいです。
北村匠海
1997年生まれ。2008年に映画「ダイブ!!」で俳優デビュー。2011年に結成したダンスロックバンド「DISH//」ではメインボーカルとギターを務める。映画初主演作「君の膵臓をたべたい」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
Stylist 鴇田晋哉 / Hail＆Make 佐鳥麻子 / 衣装 ジャケット 54,000円 パンツ 27,000円（ともにマンド / スタジオ ファブワーク TEL03-6438-9575） その他、スタイリスト私物
山本舞香
1997年生まれ。2011年「三井のリハウス」の14代目リハウスガールとしてデビュー。同年、TVドラマ「それでも、生きてゆく」で女優デビューを果たし、モデル業も両立。主な映画出演作は、「SUNNY 強い気持ち・強い愛」、「東京喰種 トーキョーグール【S】」など。
Stylist 津野真吾（impiger）/ Hail＆Make MAKI
伊勢谷友介
1976年生まれ。学生時代からファッションモデルとして活躍し、是枝裕和監督「ワンダフルライフ」（99）で俳優デビュー。2019年「翔んで埼玉」では第43回日本アカデミー賞の優秀助演男優賞を受賞。モデル、俳優にとどまらず、監督、実業家としても活躍中。
Stylist 三田真一 / Hail＆Make ShinYa
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映画『とんかつDJアゲ太郎』
（C）2020イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
原作 「とんかつDJアゲ太郎」
原案 イーピャオ
漫画 小山ゆうじろう（集英社ジャンプ・コミックス刊）
監督・脚本 二宮健
脚本協力 喜安浩平
出演 北村匠海、山本舞香、伊藤健太郎、加藤諒、浅香航大、栗原類、前原滉、池間夏海、片岡礼子、ブラザートム、伊勢谷友介他
公開 近日公開
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