昼の国分寺駅に降り立つとビジネスマンに主婦、シルバー層に学生と人が想像以上に多いことに気づきます。
それもそのはず、現在、国分寺は再開発の途上で北口エリアには高層マンションが建ち、駅前ではロータリーの整備が進められて人口が増加しつつあるのです。
おしゃれな建物が人を呼び、住みやすい環境整備の循環は、サブカル色が濃い街並みを変貌させつつあるようです。
南口を出てすぐ右にしばらく歩くと傾斜の強い坂道があります。下りと上りを繰り返したその先にある公園が、「都立武蔵国分寺公園」。
公園の敷地はかなり広大で子ども達の黄色い声が公園中を埋め尽くしています。
もともとは旧国鉄の教育施設であった中央鉄道学園の跡地を利用しており、今では蒸気機関車のシンボルである動輪の記念碑だけが面影を残しています。その後、公園に整備され桜の季節には花見客でにぎわう住民の憩いの場となったのです。
さらに南に下り70以上の樹種で囲まれた森を抜けると横一直線にフェンスが。
その先に見える崖を横目に階段を下ると、先生の言っていた(と思われる)「真姿の池」と「お鷹の道」が姿を現します。
先ほどの崖について調べてみると、国分寺には多摩川が10万年以上の歳月をかけて削り取った「崖線」と呼ばれる崖の連なりが存在し、立川から国分寺を経由して世田谷区や大田区へと続いているんですね。
この段丘とその周辺に残る樹林や崖線下から湧き出る豊かな水が「真姿の池」となり、その清流沿いにある小径が「お鷹の道」になったわけです。
小径は約350メートル。周囲の木々からこぼれた葉が絨毯となった地面は季節によって色が変わりインスタスポットになっています。
ぜひその情緒を楽しんでみてください。
さらにリサーチしてみると「お鷹の道」付近は、かつて尾張徳川家の御鷹場に指定されており、江戸時代から地元民に知られていたようです。
おそらく先生のあの無骨な人柄もここで培われたんですね。
戦後になって、遊歩道に整備されたあとは四季折々の自然が楽しめる散策スポットとして、SNSの力もあって認知は拡大しています。
四季によって表情が異なるこの場所は飽くことがありません。
自分だけのお気に入りの表情を見つけてみてくださいね。
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脚本家 新井啓明
日本大学卒業後、広告営業、ネット記事編集に従事。
現在は、ゲームのシナリオ執筆から、舞台コンペのための脚本も手がけている、精神年齢が小学生の会社員。
【ブログ】https://note.mu/kikitojiji190814
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