「老後は2000万円必要」と政治家が発言して、心がざわついたアラサー女子はあなただけじゃありません。
社会人になってしばらくたつのに、なかなか貯金できてないと気づくと焦り始めますよね。そして心配な老後のお金。実際、どのくらいのお金が必要なのでしょうか。
そこで、現実的に必要なお金を試算してみました!
ゆとりある老後にしたいなら 月34.9万円 が必要
公益財団法人生命保険文化センターの調査をもとに、ゆとりある老後の生活のために必要な金額を計算したところ月に34.9万円という数字がでました。
60代の最低日常生活費(※1)が平均22.2万円、そして老後のゆとりのための上乗せ額(※2)の12.7万円を足して算出しています。
ただし、これらはあくまで生活保障の調査によって出された金額をもとに計算したもの。実際は、住んでいる地域や年金額、ライフスタイル、さらには資産・家族構成などによって異なるものです。
月34.9万円はあくまで平均、「自分が将来どんな老後を送りたいのか」とビジョンを組み立てて、将来に向けて資金を確立させることが重要になってきます。
※1.老後の最低日常生活費 参考URL:https://www.jili.or.jp/research/report/chousa_r1st_1.html
※2.老後のゆとりのための上乗せ額 参考URL:https://www.jili.or.jp/research/report/chousa_r1st_1.html
老後の資金を増やすには
老後にゆとりのある生活を送るためにはお金が必要ですが、年金だけでは心許ないものです。そこで、今から老後の資金を増やすための方法をいくつかご紹介します。
定期預金など預貯金
定期預金とは、普通預金とは違って、預け入れた金額を一定の期間引き出せずに銀行に預けるサービスのこと。普通預金に比べて普通預金より高い金利設定なのが特徴です。
メリットは、預金があればだれでも始められること(銀行によって最低預入金額は異なります)。
普通預金に入金すると、うっかり使ってしまう可能性がありますが、定期預金は手続きを踏まないと引き出せません。誤って使い込むということなく、スムーズに貯められるので便利です。
ただし、結婚や引越しなど資金が必要になったとしても、気軽に引き出せないのはデメリットにもなり得ます。
また、金利が高めの設定は、普通預金に比べて、という意味です。定期預金の金利は平均0.01%なので、金利による大きな恩恵は期待できないという現状も注意していきましょう。
財形貯蓄
給料から天引きし、その分を貯金に回すことを財形貯蓄と言います。自動的に貯金されるため、「いつの間にこんなにお金がたまってたんだ!」と達成感を得られるのが魅力。
さらに、550万円までは利息が非課税対象なため、お得にお金を貯められる点やいざというときでも引き出しやすい点がメリットです。
ただし、財形貯蓄は職場で制度を設けていないと利用できないので、利用対象が限られているデメリットがあります。
確定拠出年金制度
確定拠出年金には「個人型」と「企業型」の2種類があります。個人は自分で毎月の掛金を拠出して運用する方法。企業型は、企業が掛金を拠出して従業員が運用する方法です。
運用方法によって、受け取り時に差額はあるものの、確定拠出年金の積立額は控除となるなど税制面でのメリットも。ただし、60歳になるまでは定期預金同様に、気軽に引き出せないのがデメリットです。
将来の資金を貯める用途としては便利ですが、ライフスタイルの変化によって急に資金が必要になってもアテにできない点は覚えておきましょう。
少額投資非課税制度(NISA)
NISAは毎年120万円まで株式投資の利益や配当が非課税となる制度です。株式投資は利益額の20.315%が税金となりますが、これが免除となります。
ただし、あくまでも税制優遇的なシステムであって、一般的な投資同様、資産が増えるか減るかは状況次第です。本来引かれるはずの税金が控除されるので、「塵も積もれば」との言葉もあるように、長期間取り組めば多きな金額となっていることでしょう。
退職金
退職金は仕事を辞めたときにもらえるお金で、そのまま老後の資金として活用しやすいお金です。ただし、昨今は退職金が減少傾向にあります。
また、結婚などで定年ではなく中途で退社する場合、制度によっては退職金が減額されることもあります。転職回数が多い、かつ中途で退社する場合、退職金の額がそこまで積みあがっていないケースも。
早い段階で退職金をもらってしまうと、老後まで残しておく意識が薄れてしまう点もデメリット。それでも、ある程度まとまったお金をもらえる点は大きなメリットになるはずです。
生活資金以外に必要な老後資金
そもそもなぜ老後にお金がかかるのかという点を理解しておく必要があります。老後は老後で何かとお金がかかるとされていますが、具体的にみていきましょう。
入院・手術などの医療費用(がん治療や先進医療にかかる費用など)
年齢と共に体が衰えるとどうしても医療のお世話になることも増えてしまいます。風邪や体調不良といった軽い症状だけではなく、年齢と共にがんリスクも高まります。
また、軽度の不調であっても万全を期して入院したり、場合によっては先進医療のお世話になったりなど、医療に関する費用は年々高くなっていくことでしょう。
介護料
今は健康だとしても認知症になって一人での生活ができなくなる、年齢による身体の衰えで歩けなくなるなどリスクは誰にでもつきものです。
万が一、一人で生活できない状況になった場合、家族や福祉施設による介護が必要です。自宅・介護施設の人に任せる、どちらの選択を取っても大きな費用がかかります。介護のレベルにもよりますが、平均は月5万円ほどの自己負担が必要です。
葬儀代
自分の葬儀はもちろんですが、歳をとれば、同世代の友人の葬儀も増えていくでしょう。出席には、香典の出費もかさむようになります。
また、自分の葬儀は自分のお金で行いたいとの思いから、葬儀代を貯めている高齢者は珍しくありません。昨今はシンプルな葬儀が流行しているので、10~20万円ほどでできる葬儀もありますが、平均は、70万前後。葬儀代を貯蓄しておくに越したことありません。
早めに資金を増やして老後の準備を
老後もお金がかかるものです。さらに、老後は若いときのように働いて収入を得る機会も減少します。増やすことが難しいからこそ、若いときから老後のお金を意識する必要があるのです。
とはいえ、急に貯まるものではありませんので長期的展望こそ大切。「若いころはあんなにキラキラしていたのに、老後は質素な生活に…」なんてなるのは、もったいないこと。
エネルギッシュに動ける今のうちから資金の準備を考え、自分に合わせた貯蓄を行うことで楽しい老後を目指してみてはいかがでしょうか。
資産形成の時間は長いに越したことはありませんので、早めに始めましょう!