遭遇率数%の激レア渡り鳥に会えるかも!野鳥と偉人の池「洗足池」で1年の締めくくり

昔の人は師走になると、一年の汚れを落とすために冷水を浴びたそうです。

今でも願掛けや清めの地は多く「洗足池」もそのひとつ。野鳥の楽園と同時に、歴史上の偉人たちの逸話が数多い魅惑の「洗足池」。今回は都心から電車で10分、大田区の洗足池を歩いてみました。

五反田駅より東急池上線で約10分。車窓から木々の葉と池の水面が確認できたらそれが「洗足池」です。実は昔から馴染みのある場所なのに、時間をかけて歩いたのは今回が初めて。大人になって母校の小学校の校庭を訪ねると「あれ、こんなに小さかったっけ?」と感じることがありますが、今の洗足池は僕にとって、まさにそれと同じでした。

「池月橋」池の景観を風情豊かにするヒノキの三連太鼓橋。毎年5月の満月に近い夜に横笛の演奏会が開かれ、幻想的な世界観が生まれます。

祖父に付き添って自転車で走り抜けた池周りは20年前よりもひと回り狭くなったように感じました。それだけではなく、池の前にあった歩道橋がなくなり、今では横断歩道とスロープが整備され、利便性が格段にアップ。時代のニーズに合わせて訪れる人たちを楽しませていました。

駅改札を出て中原街道を渡り、スワンボート乗り場に着いたらお散歩スタート。

まず冬なのに比較的、緑が多いことに気づくと思いますが、池の周りには常緑樹と落葉樹が混在しているので、通年で木々の葉音を楽しめます。

さらに池沿いに歩いて池月橋を渡ると、平安時代に源頼朝がこの場所で出会い、平家打倒に出陣したという愛馬「池月」の像がお出迎え。今にも駆け出しそうな姿勢で池を見つめているのは昔のまま。

「池月像」源頼朝の愛馬。寿永3年(1184年)、宇治川の戦いにおける先陣争いで、頼朝はこの馬にまたがり一番乗りを果たしたとか。

そんな彼が見つめる池を彩るのに一役買っているのが多くの野鳥たち。しかも冬は渡り鳥が多く様々な鳥を目にすることができるのです。

通年で見られる「カルガモの親子」は、稀に親子の団体で陸地に上がってくることも。

一年で飛来する累計100種類以上の野鳥のなかで、人気なのがカルガモの親子とオシドリ。カルガモは言わずもがな、その愛くるしい子ガモたちによる水浴びの仕草が疲れた心を癒やしてくれます。

そしてオシドリはまさに12月ごろに飛来しますが都内で見られるのは極稀。ここ洗足池以外だと明治神宮か新宿御苑の池で稀に目にすることができます。

近年では、オシドリは決して「良い夫婦」を象徴するような鳥ではないという論説が主流のようですが、都内でお目にかかれただけでも幸運。

それを大事なパートナーと見られたら奇跡です。ぜひ探してみてくださいね。

「オシドリ」は、洗足池の野鳥写真家でさえ数年に一度しか見かけられないとか。ちなみに中央の赤いオシドリが雄ですよ。

また駅があり、人や車の往来が活発な中原街道の反対側は、公園より高台の高級住宅街。その辺一帯は夜になると正直ちょっと怖いくらいに静かで暗いです。しかしそこから池の向こう側を見ると、暗い池の水面に混ざり込む街の灯りが美しいコントラストを演出していてちょっとした穴場なんですよ。

冬でも緑が多く、木々の葉の間から戯れる野鳥の鳴き声が。日向ぼっこしているとついウトウトしてきますよ。ただしフンにはご注意。

さて、この自然豊かな洗足池ですが、名前の由来をご存知でしょうか。古くからこの地域は「千束郷」と呼ばれ、稲千束分の税が減免されていたためというのが定説です。ところが鎌倉時代の日蓮聖人(日蓮宗の祖)が療養の一環でこの池で足を清めたことから「洗足」の字が使われるようになったとか。

現に大田区には「北千束」という地名や東急目黒線には「洗足」という駅があるなど、現在でも双方の漢字が使用されています。また、洗足池は「千束郷の大池」と呼ばれ、農業用水の源水でもありました。そこから田畑を潤すための支流が流れ、そのひとつが今でも桜に囲まれた遊歩道「桜のプロムナード」に改修され残っています。そんな歴史の変遷を掘り起こしてみるのも楽しいですね。

Writer

脚本家 新井啓明

日本大学卒業後、広告営業、ネット記事編集に従事。
現在は、ゲームのシナリオ執筆から、舞台コンペのための脚本も手がけている、精神年齢が小学生の会社員。
【ブログ】https://note.mu/kikitojiji190814

 

この記事を書いたのは
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