夏菜「悪女役って気持ちいい」新境地開いた『夏への扉』

Styling:Erika Mimura (TRON management Inc.) / Hair&Make:kambe harumi

1956年に発表され、ハリウッド映画にも多大な影響を与えたと言われるロバート・A・ハインラインの『夏への扉』が日本を舞台に再構築され『夏への扉-キミのいる未来へ-』として映画化。

今回、お話を伺った夏菜さんが演じるのは主演の山﨑賢人さん演じる科学者・宗一郎の婚約者でありながら、宗一郎を罠にはめてコールドスリープ(冷凍睡眠)させてしまう白石鈴。『悪役はやりがいがあって楽しかった』と話す夏菜さんにお話を伺った。

めったに見れない夏菜の悪女役 『悪役、気持ちよかったです』

完成した作品を観た感想を伺うと、『めちゃくちゃ面白かったです!』と、目を輝かせて答えてくれた夏菜さん。でも映像を観るまでは不安もあったそう。

「初めて台本を読んだときから絶対に面白くなると思っていました。でもどうやって映像化するんだろうって…。過去と未来を行き来するのは難しい演出だと思いましたし、一歩間違えば観客が観にくいものになってしまうのではないかと。でも完成した作品を観て、そんな心配はいらなかったようです(笑)。

自分が出ている作品はあまり客観的に見ることができないのですが、この作品は本当に面白くて2時間があっという間でした。改めてこの作品に出演することができてよかったと思いました」

夏菜さん演じる白石鈴は主演の山﨑賢人さんを罠にはめて未来へと冷凍保存してしまう悪女。これまであまり演じてくることがなかったヒール役に戸惑いもあったのでは…と思っていたら『悪役、気持ちよかったです』と笑う。

「自分の新境地として、しっくりきたような(笑)。いかに観ている人に嫌われるか、そして山﨑賢人くんと清原果耶ちゃんの2人が純粋に見えるかが私に課せられた責任だと思って演じました。

でも意識したのは、鈴をただの悪者にしないこと。もちろん腹黒かったり、口がうまかったり、オンナの部分を使ったりするのですが、きっと鈴は清原果耶ちゃん演じる璃子に本当は嫉妬していると思うんです。自分にはないピュアさや家庭的な一面を見て悔しいと思っているし、トラウマがあるのかもしれない。そんな裏設定を自分で作って演じました」

コールドスリープは嫌 今この瞬間を大切にしたい

この作品の見所はなんと言っても主人公がコールドスリープして時空を越えてしまうこと。そこで夏菜さんにもコールドスリープするなら?と質問すると、『今がいいです!』と即答が。

「どこにも行きたくないですし、戻りたくもないのでコールドスリープなんて絶対に嫌です(笑)。車が空を飛んだりする未来の光景を見てみたいなという気持ちはありますが、絶対に今がいいです。

私、ずっと性善説で生きてきたんですけど、ある時期すごく性悪説の人になってしまったんです。いろんな世間の声とかが聞こえてきて、誰も信じられないような気持ちになってしまい、全員が敵に見える時期があって…。

家族にも辛く当たってしまうし、そんな自分自身も嫌になってしまい、どんどん負のループにハマってしまったんです。でも、そのとき支えてくれたのが家族や親友で。

そういう人たちに囲まれて、助けてもらったおかげで性善説な本来の私に戻ってこられました。だから過去になんて戻りたくないですし、今この瞬間を大切に生きたいと思います」

夏菜さんにとって特別な言葉は『夏菜、スマイルスマイル!』だと教えてくれた。

「母の言葉なんですけど、泣けますね。仕事で落ち込んで実家に帰って、でも翌日はまた現場に行かなければならなくて。そんなとき、いつも母が笑ってこの言葉で送り出してくれるんです。親のそういう言葉って偉大ですし『スマイルスマイル』ってなんかもう、それだけで笑っちゃうじゃないですか。

めちゃくちゃ簡単な言葉だけど元気をもらえるんです。だから、今では私も誰かが凹んでいたら『スマイルスマイル!』って声をかけるようにしています」

4年後の未来は「子供を産んでいたい」 理想の母親像は

劇中で主人公がコールドスリープして目覚めるのが2025年。今からあと4年後、夏菜さんの未来はどうなっているだろう?

「子供を産んでたい!(笑)私の母のように辛い時に手を差し伸べてあげられるお母さんになりたいです。全ての道を決めるのではなくて、子供の意見を尊重して、悩んだときだけそっと背中を押してあげられるようなお母さん。なってたらいいなぁ」

愛犬、マルプーのこむぎちゃんと暮らしている夏菜さん。もうお母さん気分は味わってるんじゃ?と聞くと「そうなんですよー!」と顔が緩む。

「ホントに、もうそろそろ母乳が出るんじゃ?って思いますもの(笑)。それくらい愛おしくて仕方がないです。こむぎも今年で7歳。あと何年一緒にいられるだろうと考えると、それこそコールドスリープさせたいです。私がおばあちゃんになっても側にはこむぎがいて。そしてこむぎの最後を私がしっかり看取ってから、私も一緒にお空へ…そんなことができたらいいのに」

夏菜さんの描く未来になくてはならないもの、それは家族や親友、愛犬の姿に違いない。

「無条件に愛を注げる飼い犬や飼い猫、そして自分のことを理解してくれる人がいるという安心感、もしこれでダメでも別にいい、それが全てじゃないと思わせてくれる人の存在は本当に大きいと思います。これからも人との繋がりを大切に、多くの絆を結んでいきたいと思います」

Text Satoko Nemoto
Photo Hirohiko Eguchi (Linx.)


夏菜
1989年生まれ。2006年、高校在学中にTBSドラマ『ガチバカ!』でデビュー。2011年映画『GANTZ』の岸本恵役に大抜擢され注目を集める。その後、フジテレビ系『ピカルの定理』にレギュラー出演し、バラエティ番組へも進出。2012年にはNHK連続テレビ小説『純と愛』のヒロインに抜擢され、連続ドラマ初主演を果たす。以降、数々のドラマや映画、舞台、CMなど出演。現在はYouTuberとしても人気で、幅広い方面で活躍中。

「夏への扉 −キミのいる未来へ−」

(C)2021 映画「夏への扉」製作委員会

監督 三木孝浩
脚本 菅野友恵
出演 山崎賢人、清原果耶、夏菜、眞島秀和、浜野謙太、田口トモロヲ、高梨 臨、原田泰造、藤木直人 他
主題歌 LiSA「サプライズ」(SACRA MUSIC)
公開 6月25日(金) 全国ロードショー

この記事を書いたのは
Poco'ce

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