『ブラック・スワン』でオスカーをつかみ取り、今やハリウッドのトップに君臨するナタリー・ポートマン。
自由奔放な言動で世間を賑わせながらも、自身のポリシーに従うタフさは見習いたいところ。
悪魔に魂を売ってでも輝きたいスターの野望
同級生による銃乱射事件に巻き込まれてしまい重傷を負った14歳のセレステ(ラフィー・キャシディ)は、リハビリを経て退院したのちに姉のエリー(ステイシー・マーティン)と創作した犠牲者への追悼曲をマスコミの前で歌い注目されます。
そして音楽マネージャー(ジュード・ロウ)と契約して発表したアルバムは評判となり彼女はスターへの階段を登り始めます。
しかしエリーとマネージャーが恋仲となり、姉に裏切られたと感じたセレステは大きなショックを受け、姉妹の関係は次第に崩れていきます。
時が経ち31歳となったセレステ(ナタリー ・ポートマン)は、世間を騒がせる発言や行動、そしてアルコール依存となり、昔の輝きは失せています。
トップアーティストではなくなった彼女は、復活を図るべく大掛かりなツアーを企画するのですが…。
果たして彼女は昔の自分を取り戻せるのか? そしてツアーは成功するのか?
銃乱射事件に巻き込まれて重傷を負い、人生のどん底に突き落とされたセレステですが、その後アーティストとして世間の注目を浴びるようになり地位や名声を手にします。
しかし、若くして有名になった彼女は「代償」として生きづらい現実にもがき苦しみます。
レコード会社のスタッフから「大事なのはあなたらしいことよ」とアドバイスを受けたセレステは、自分の思い描く未来に向けて活動しますが、様々な困難が目の前に立ちはだかるのです。
大人になったセレステは、自分の娘であるアルビー(ラフィー・キャシディ)に対して「過去にすがりつくアーティストは飽きられる」と言い放ち、人生をかけたツアーに臨もうとします。
悪魔に魂を売ってでもスターであり続けたいと願うセレステの姿は、華やかでありながらも痛々しさを感じます。
売れることより、売れ続けることが難しいエンターテインメントの世界で、セレステはポップスターとして迷走するのです。
他人の評価を気にしない ナタリーの素直でタフな一面
本作主演のナタリー ・ポートマンは、リュック・ベッソン監督の「レオン」のオーディションを受け、2000人以上の候補者の中から見事マチルダ役を射止め映画デビューを果たしました。
「レオン」は作品としても評価されましたが、ナタリーの演技も絶賛され、様々な映画出演のオファーが届く様になり「スター・ウォーズ」新三部作でのパドメ・アミダラを演じて完全なるAクラスセレブとなったのです。
ナタリー ・ポートマンといえばハリウッドではトップクラスの才女として知られていて、高校時代の成績はオールAで、ハーバード大学とイェール大学に現役で合格。
6ヶ国語に精通していると言われ、短期の日本留学も経験しているので日本語も日常会話なら話せると自身で語っています。
ハリウッドの正統派女優として名高いナタリーですが「正統派」という世間の画一的な評価を好まないらしく「ホテル・シュヴァリエ」では5分以上に及ぶヌードを披露。そしてプライベートでは恋多き女性として知られます。
「作品を選ぶ女優」のナタリーは、出演映画をかなり吟味することで知られていますが、それは女優として役のイメージに囚われたくない気持ちが強いのかもしれません。
世間からのレッテルを嫌う性格で、元々はヘビースモーカーでベジタリアン。
そしてハリウッド一の才女でありながら、パパラッチを意識せず様々な男性と浮名を流してきました。
過去のインタビューでは「自分の価値観に従う」と答えているナタリーは、他人からの評価をあまり気にしません。
僕も含め人は自分がどう見られるかを気にしてしまうものですが、ナタリー・ポートマンの様に自分がどう見られても構わないという素直でタフな一面は見習うべきかもしれませんね。
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「ポップスター」
監督・脚本 ブラディ・コベット
出演 ナタリ・ポトマン、ジュド・ロウ、ステイシー・マーティン、ラフィー・キャシディ他
公開 4月3日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次
※新型コロナ感染症の影響で公開が延期になっている場合がございます。
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コトブキツカサ(映画パーソナリティー)
1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パソナリティ」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。
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