温かさを感じられる春になっても、冷え症で悩んでいる女性は意外と多いもの。実は、冷え症は冬限定ではないことをご存じですか?
春は寒暖差が激しいため、「冷え」を感じやすいとされています。
そして冷え症の原因には、ストレスや運動不足などが隠れているかも…。今回は、冷え症の対策法についてご紹介します。
環境の変化が「冷え性」の原因?
春は、就職や引っ越しなど環境の変化が起こりやすい季節です。
生活スタイルが変わることによって、自律神経の乱れを招き冷え症や春バテを引き起こすことも。
また、動くことがおっくうになる冬は、運動不足が起こりやすくなります。春の冷え症は、冬の運動不足の影響を引きずっていることもあるのです。
ここでは、冷え症の原因として考えられる要因について解説します。
体温調節のメカニズム
爬虫類など外気温に合わせて体温を変える変温動物とは異なり、人間は一定の体温を保てる「恒温動物」です。外気が変化しても血液量や汗の量などで体温を調節するようにできています。
人間は皮膚から「寒さ」を感じると、その情報が届いた脳が体温を一定に保つよう身体にメッセージを送ります。
血管を縮めて血液量を調節したり、皮膚の表面温度を低くして熱を放出しにくくしたりなど、脳の指令によって身体が外気温に適応していきます。
寒いと身体がぶるぶる震えるといった経験は誰しもありますが、あの現象も筋肉を震わせることによって体温を上げようとする脳の仕組みです。
冷え症は、この身体の体温調節機能がうまく働いていない状態をいいます。
自律神経やホルモンバランスの乱れ
本来なら、自律神経が体温調節の命令を出すことによって寒さに対応しています。
しかし、ストレスや生活リズムの乱れなどがあると、自律神経がうまく機能しなくなることがあります。
また、女性の身体やこころのバランスには女性ホルモンが大きく関わっていますが、その分泌が乱れることによって血行不良になることも。
自律神経やホルモンバランスの乱れが冷えを引き起こしているかもしれません。
運動不足
女性の身体は筋肉量においても冷えを感じやすいつくりになっています。
女性はもともと男性に比べて筋肉量が少なく、筋肉の動きによる発熱や血液量なども比例して少ないのが特徴です。
また、運動不足による発熱量の少なさも、冷えの原因になりえます。
考えられる病気
なかなか冷え症が改善されない場合は、何か他の病気が隠れていることも。
冷え症を起こしやすい病気として、貧血症や低血圧症、膠原病や甲状腺機能低下症などがあげられます。
対策をしても一向に改善されない場合は、かかりつけ医などに相談しましょう。
「寒がり」なだけじゃない冷え性の症状
そもそも冷え症とは、具体的にどのような症状を指すのでしょうか。冷え症は「寒がり」というだけではなく、さまざまな症状があります。
まずあげられるのは、手足やおなかなど、身体の一部分に感じる冷えです。
部屋が暖かいのに、いつまでたっても冷えがおさまらない…という状態も、冷え症の症状だといえます。
またお腹を壊しやすい・すぐ下痢になってしまう、といった症状も、身体の冷えから来ていることがあります。
単に寒くて不快になる、というだけではなく、冷えにはいろいろな症状を引き起こす要因があるのです。
冷え性を改善するにはどんなことができる?
ストレッチで冷え症&運動不足解消
運動不足が原因になって起こる冷え症には、適度な運動が大切です。
座ってできるストレッチや、テレビを見ながらできる「ながらストレッチ」など、日常にとりいれやすい軽い運動をおこなうことで冷えの改善が期待できます。
ストレッチを習慣的におこなうことで、女性らしいしなやかな身体づくりにもつながりますよ。
食べ物や漢方で冷え症を改善
しょうがなどの食材やスパイスなど、身体を温める効果がある食べ物をメニューに取り入れることで、内側から冷えを感じにくくする効果が期待できます。
また、冷え症に効果のある漢方を活用することで、冷え性を改善するインナーケアもおすすめです。
循環器クリニックやレディースクリニックなど、冷え性を診てもらえる外来で相談することもひとつの方法ですね。
温活グッズで冷えにくい身体に
カイロやマフラーなどを使って、首元・手首・足首の「三首」を温めることも効果的です。
手足などの末端冷え性は、冷えると感じる部分だけではなく三首を温めることでも改善しやすくなります。
また、首やわきの下、股関節などの大きな血管がある部分や、筋肉量の多いふともも、内臓がおさまっているお腹などを温めることでも、身体全体の冷えの改善につながります。
体温を保ってくれるインナーウェアなどを上手に活用して、身体全体を温めましょう。
さよなら冷え性!
春先は、生活環境や生活リズムの変化などから、冷えが起きやすい季節です。暖かくなってきたからといって油断せず、冷え性対策に気をつけておきましょう。
春から温活を意識しておくことで、夏のクーラーによる冷え症に負けにくい身体づくりにもつながります。
ストレス解消や食事の改善、運動など、春のうちからできることを始めましょう。