働く女性が等身大の情報をお届け!

Life

ガブリエル・ユニオン 順風満帆な人生ではなかった 30年前のトラウマ体験乗り越え女性サポートに尽力

大学時代に始めたモデルから、ショウビジネスの世界に魅入られ俳優の道を志したガブリエル・ユニオン。

学生時代に受けた辛い思い出を抱えながらも、塞ぎ込んだ生活を送るのではなく、常に明るく振る舞い自分の人生を前向きに捉えながら、自分と同じような被害にあった人々の生活を応援する彼女の人生に学びたい。

ガブリエル出演『インスペクション ここで生きる』はどんな作品?

イラク戦争が長期化していた2005年アメリカ。フレンチ(ジェレミー・ポープ)は、自分がゲイだという理由で母親(ガブリエル・ユニオン)から捨てられホームレス生活を送っていました。

そんな彼が一念発起して海兵隊への入隊を決意します。訓練に参加したフレンチは教官から過激で過酷なしごきを受け、ゲイであることが周りに知れ渡り厳しい差別やイジメに遭います。

しかし彼は海兵隊員になるという目標を見失わず、母親に認められるために必死で日々を過ごすのです。

ホームレス生活から脱却しようと決意したフレンチは、海兵隊に入るために必要な出生証明書を取りに疎遠となっていた母親のアパートを訪ねます。

渋々と扉を開ける母親と久しぶりに再会したフレンチでしたが、彼がソファに座ろうとすると母親はニュースペーパーをそのソファに敷くのです。

彼女が息子と別れてから10年の月日が経っていましたが、いまだに彼女は息子がゲイであることを認めることができず、ましてやその存在を汚れているものとして扱ったのです。

この作品は、エレガンス・ブラットン監督の体験を元にした物語なのですが、監督自身が「家族や仲間が味方でなかったとしても、私は決して自分であることを諦めなかった」と語っています。

この作品は自分の居場所を見つける物語であるとともに、アイデンティティ(自己同一性)を手放さないという物語でもあるのです。エレガンス監督のキャリアは海兵隊在職中に映像記録担当になったことから始まり、映画監督としてこの作品で長編デビューを果たしました。

そして、本作は世界各国で絶賛され、歌手としても活動している主演のジェレミー・ポープは、ゴールデングローブ賞で主演男優賞にノミネートされたのです。

子供がゲイというだけで、親としての義務を放棄した人間に対してもフレンチは慈悲の心を忘れません。彼は劇中で「母さんとの関係を諦めない」とつぶやきます。

彼は誰かに否定されたとしても、自分の心の拠り所を決めたのです。フレンチはエレガンス監督のいわば分身ですが、実は監督はエンドロールでこの作品を自分の母親に捧げているのです。

ひとりの青年の壮絶な人生を描いた『インスペクション ここで生きる』を是非劇場で体験してみてください。

順調なキャリアの裏で闘い続けたPTSD

主人公フレンチの母親役で出演しているガブリエル・ユニオンは、アメリカ・ネブラスカ州で生まれ、8歳の時にカリフォルニア州に引っ越しました。

彼女は大学時代にバイトでモデルを始めると、ショウビジネスの世界に魅入られ演技の勉強を始め、徐々にテレビドラマに端役出演するようになります。

その後、『シーズ・オール・ザット』で映画デビューを果たし、『恋のから騒ぎ』、『チアーズ!』、『ブラック・ダイヤモンド』、『キャデラック・レコード』、『ストレンジ・ワールド』などに出演して、ハリウッドでの地位を築きました。(ちなみにテレビドラマも「ER緊急救命室」、「フレンズ」、「ザ・ホワイトハウス」、「アグリー・ベティ」、「フラッシュフォワード」など、大人気作品に出演しています)

順風満帆なキャリアを積んできたように思えるガブリエルですが、実は19歳の時にバイト先で男2人に暴行を受けた過去をインタビューやインスタグラムで告白し、30年間PTSDと闘っていることを発表しました。

ただ、彼女は塞ぎ込んだ生活を送るのではなく楽しい日々をインスタにポストしたり、現在では女優としての仕事の合間に性被害にあった女性達をサポートする活動も行っています。

辛い思い出を抱えながらも自分の人生を前向きに捉え、自分と同じような被害にあった方々の生活を応援しているガブリエルの人生には学ぶべき点が多いと思います。

インスペクション ここで生きる

©2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.

監督・脚本 エレガンス・ブラットン
出演 ジェレミー・ポープ、ガブリエル・ユニオン、 ラウル・カスティーヨ、マコール・ロンバルディ、 アーロン・ドミンゲス、ボキーム・ウッドバイン 他
公開 8月4日(金) 全国ロードショー

この記事を書いたひと

コトブキツカサ(映画パーソナリティー)
1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

RELATED

PAGE TOP