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ハリウッドで道を拓いた先駆者 ミシェル・ヨーから学ぶ成功への近道

スクリーンデビューから約40年。日本時間1月11日に開催された第80回ゴールデン・グローブ賞授賞式で主演女優賞を獲得したミシェル・ヨー。そして、3月に授賞式を控えた、第95回アカデミー賞にもノミネート。世界で活躍するアジア人女性たちに勇気と希望を与えてくれた、彼女の生き方に学びたい。

“あらすじを見てもわからない” アカデミー賞最多10部門11ノミネート作

エヴリン(ミシェル・ヨー)は、経営しているコインランドリーの税金問題や父親のゴンゴン(ジェームズ・ホン)の介護、そして娘のジョイ(ステファニー・スー)との軋轢など、様々な問題を抱えていました。そして春節の祝いと父親の誕生会の準備で忙しい最中、優しいけれど頼りにならない夫のウェイモンド(キー・ホイ・クァン)達と国税庁に出向きます。税務に関しての必要経費などで監査官のディアドレから厳しい指摘を受けていたエヴリンは、状況に混乱して次第に意識が遠のきます。すると夫に乗り移った“別の宇宙の夫”から「全宇宙に悪影響を及ぼす強大な悪を倒せるのは君だけだ!」と告げられます。そしてマルチバース(多元宇宙)の世界で、エヴリンと未知なる強大な悪との闘いが始まるのです。

あらすじを読んでも物語が把握できない読者の方もいると思いますが、非常に説明が難しい作品であり、監督のダニエルズ(ダニエル・クワンとダニエル・シャイナート)もインタビューで、「映画の説明を求められてもうまく答えられない」と笑いながら話しています。ただ、この作品がハリウッドを席巻しているのは事実で、先日発表された第95回アカデミー賞のノミネート発表では(授賞式は日本時間で3月13日)最多10部門11ノミニーとなり、ミシェル・ヨーを中心としたアジア系俳優が活躍するカンフー・アクションとマルチバースが融合したエンターテインメント作品として全世界の様々な賞レースで評価されているのです。

過去に後悔するより未来の自分に期待する

エヴリンは家族で営むコインランドリーの赤字経営や父親との関係、そして娘のジョイとの軋轢に悩み、満たされない日々を送っていました。誰しもが過去の行動は正しかったのか? 別の選択をしていれば違った人生を歩んでいたのでは? と考えたことはあるはず。人生の可能性は無限大だからこそ、人はその都度自らの意思で決断を強いられますが、エヴリンが別の選択をしていたマルチバース(多元宇宙)では、カンフーの達人であり、また別の世界(バース)では、レッドカーペットを颯爽と歩く映画女優なのです。

「意味のある時間なんて、ほんの僅かよ」劇中でジョイは悲観的にそう呟きます。しかし逆説的に捉えれば、人生において確実に意味のある時間が存在するということ。過去の自分に後悔するなら未来の自分に期待することを教えてくれる本作を、是非劇場で体験してみてください。

007のポンドガール役で躍進 ハリウッドを代表するアジア人女優に

そして、本作で主演を務めるミシェル・ヨーはマレーシアで生まれ、バレリーナに憧れてロンドンに留学しますが、怪我で断念してコーチとして振付を学び、マレーシアに帰国。人が羨むその美貌からミス・マレーシアに選出されます。その後、役者としてサモハン・キンポーにスカウトされ、映画界に進出して「ポリス・ストーリー3」などのアクション映画を中心に活躍します。彼女の人生を大きく変えたのは「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」でのボンドガール役を射止めたこと。全世界に彼女の存在が知れ渡り、ハリウッド作品への出演が増加するのです。

プライベートでは、映画製作会社の社長ディクソン・プーンと結婚、そして離婚。その後、当時のフェラーリのF1チーム代表で国際自動車連盟(FIA)の会長も務めたジャン・トッドと再婚します。

ミシェルはこれまで長い間アジア人女優としてハリウッドで活動してきました。いまでこそアジアで最も偉大な女優の一人として知られていますが、多くの苦労もあったはずです。そして彼女が苦労して切り開いたハリウッドへの道を現在多くのアジア人女優たちが追随しています。

あなたの周りに尊敬できる先輩はいますか?もしいるのなら、その方の生き様を自分なりに分析しながら“生きるヒント”を会得するのが、成功の近道なのだと思います。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

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脚本・監督・製作  ダニエルズ
出演  ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スー、ジェイミー・リー・カーティス他
公開  3⽉3⽇(金)全国ロードショー

この記事を書いたひと

コトブキツカサ(映画パーソナリティー)
1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

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