少しづつ肌寒い季節になってきました。10月に公開される映画をご紹介します。
明かすことのできない国家を揺るがす罪を目前に出されたとき、家族の命を救う行動はできるのか。「おまえの罪を自白しろ」では中島健人が本格政治サスペンスを演じます。また堤真一や池田エライザなどの豪華キャストにも注目です。
さらに音楽が寄り添う13年に及ぶ愛の物語「キリエのうた」では、広瀬すずとアイナ・ジ・エンドが共演。アイナ・ジ・エンドが演じる歌うことでしか“声”を出せない路上ミュージシャンは見逃せません。
シック・オブ・マイセルフ
目を背けたくなるほどの破滅的な自己愛と承認欲求を描いた異色の“セルフラブ”ストーリーの怪作が誕生。病的なまでに剥き出しで暴走する自己愛が彼女を誘う先にあるのは、幸福か、あるいは…。現代に巣食う羨望、嫉妬や欲望の“その先”を描く、嫌悪と共鳴が止まないメディケーション・ホラー。
監督 クリストファー・ボルグリ 出演 クリスティン・クヤトゥ・ソープ、エイリック・セザー、ファニー・ベイガー他 公開 10月13日(金)新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイント他
シアター・キャンプ
人気演劇スクールで、開校目前に校長が昏睡状態に。演劇に関心ゼロな息子が継ぐが、実は経営破綻寸前。存続のため、新作ミュージカル発表に残された時間は3週間。変わり者揃いの教師と生徒は完成できるのか…?奇跡の傑作ミュージカルの誕生をドキュメンタリータッチで描く、最高にハッピーな感動作。
監督 ニック・リーバーマン&モリー・ゴードン 出演 モリー・ゴードン、ベン・プラット、ノア・ガルヴィン他 公開 10月6日(金)TOHOシネマズシャンテ他
オペレーション・フォーチュン
型破りな諜報員が世界狭しと駆けまわり、その無双ぶりを見せつける、超痛快アクションエンタテインメント。新たなミッションは、100億ドルで闇取引されるとてつもなくヤバいブツ=“ハンドル“”を追跡・回収すること。次第に明らかになっていく巨大な陰謀…。そして、“ハンドル”の正体とは!?監督 ガイ・リッチー 出演 ジェイソン・ステイサム、オーブリー・プラザ、ジョシュ・ハートネット、ケイリー・エルウィズ、バグジー・マローン他 公開 10月13日(金)TOHOシネマズ日比谷他
イコライザーTHEFINAL
デンゼル・ワシントンが世の悪を抹消する元CIAのトップエージェント、ロバート・マッコールを演じる大ヒットアクションシリーズ『イコライザー』の最終章。シリーズで初めて国境を越え、舞台はイタリアへ。マッコール史上最も激しい怒りに満ちた、最後にして最大の“仕事”が始まる。
監督 アントワーン・フークア 出演 デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング他 公開 10月6日(金)全国ロードショー
旅するローマ教皇
ヨーロッパ、中東、アフリカ、アメリカ、そして日本…。2013年のイタリア、ランペドゥーサ島から始まり、2022年の新型コロナウイルスのパンデミック下のマルタの訪問まで、9年間で37回、53か国をローマ教皇と共に旅をする。愛にあふれるローマ教皇の知られざる真の姿に迫るドキュメンタリー。
監督・脚本 ジャンフランコ・ロージ 公開 10月6日(金)Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下、新宿武蔵野館他
ラ・ボエームニューヨーク愛の歌
オペラ最高傑作として長らく愛され続けているジャコモ・プッチーニ作曲の「ラ・ボエーム」の設定を「1830年代のパリ」から「現代のニューヨーク」に置き換え、大胆なアレンジのもと、これまでにないまったく新しいミュージカル作品として映画化。儚くも情熱的な日々を懸命に生きる若者たちの青春群像劇。
監督 レイン・レトマー 出演 ビジョー・チャン、シャン・ズウェン、ラリサ・マルティネス、ルイス・アレハンドロ・オロスコ、井上秀則、アンソニー・ロス・コスタンツォ、イ・ヤン他 公開 10月6日(金)TOHOシネマズシャンテ他
悪い子バビー
母親に命じられるがまま閉じこもり、一般社会とかけ離れた過酷な環境で育った男・バビーが、多くの人々と出会い、そして音楽に導かれて自分自身を発見する旅。目を覆いたくなるほどの悲惨な境遇に不安を抱きながらも、観る者を衝撃的な感動で包み込む、映画史上稀にみる傑作が30年の時を経て遂に日本上陸。監督・脚本 ロルフ・デ・ヒーア 出演 ニコラス・ホープ、クレア・ベニート、ラルフ・コッテリル、カーメル・ジョンソン他 公開 10月20日(金)新宿武蔵野館他
ルー、パリで生まれた猫
クールで好奇心いっぱいの猫、ルーのドジでかわいい“あるある”行動には悶絶必至!パリを舞台に、少女の目を通して愛猫との絆を描く、猫好きにはたまらない、猫たちへの愛と感謝の物語。猫と暮らした人なら、その経験を思い出さずにはいられない、“あなたと愛猫たちの物語”。
監督 ギヨーム・メダチェフスキ 出演 キャプシーヌ・サンソン=ファブレス、コリンヌ・マシエロ、リュシー・ローラン、ニコラ・ウンブデンシュトック他 公開 9月29日(金)新宿ピカデリー他
栗の森のものがたり
金色と銅色の枯葉の絨毯に彩られる色彩豊かな季節。静寂がささやく栗の森を舞台に、ケチで不器用な年老いた棺桶職人マリオと、この地を離れることだけを夢見る若い栗売りマルタの、孤独なふたりの夢語り。すべてのカットに美が宿る映像美で魅せる、すでに古典の趣さえ漂う、メランコリックな大人の寓話。
監督 グレゴル・ボジッチ 脚本 グレゴル・ボジッチ、マリーナ・グムジ 出演 マッシモ・デ・フランコヴィッチ、イヴァナ・ロスチ、ジュジ・メルリ、トミ・ヤネジッチ他 公開 10月7日(土)シアター・イメージフォーラム他
私はモーリーン・カーニー正義を殺すのは誰?
ハイリスクな技術移転契約の内部告発者となった、世界最大の仏原子力会社の労働組合代表モーリーン・カーニー。彼女が、自宅で襲われるという肉体的暴力と、それを自作自演だと自白を強要する権力側からの精神的暴力に対し、屈することなく6年間闘い続け、無罪を勝ち取るまでを描いた、驚愕の実話を映画化。
監督 ジャン=ポール・サロメ 脚本 ファデット・ドゥルアール 出演 イザベル・ユペール、グレゴリー・ガドゥボア、フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾン他 公開 10月20日(金)Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下他
白鍵と黒鍵の間に
舞台は昭和末期の夜の街・銀座。夢を追う男と夢を諦めた男、音楽好きのヤクザの会長と出所したばかりの“謎の男”、アメリカ人の歌姫やベテランのバンマスらが入り乱れ、現実と幻想の間を駆け抜ける狂騒の一夜が繰り広げられる、奇想天外なエンターテイメント作品。
原作 南博「白鍵と黒鍵の間に」(小学館文庫刊) 監督 冨永昌敬脚本/冨永昌敬、高橋知由 出演 池松壮亮、仲里依紗、森田剛/高橋和也他 公開 10月6日(金)テアトル新宿他
キリエのうた
壮絶な運命と無⼆の歌声を宿したキリエの⾳楽がつなぐ13年に及ぶ壮⼤な愛の物語。儚い命と彷徨う⼼、そこに寄り添う⾳楽。⽯巻、⼤阪、帯広、東京と、岩井監督のゆかりある地を舞台に紡がれる、魂の救済を⾒つめた物語は、スクリーンを越えて“貴⽅”の⼼と共振し、かけがえのない質量を遺す。
原作・脚本・監督 岩井俊二 出演 アイナ・ジ・エンド、松村北⽃、⿊⽊華/広瀬すず他 公開 10月13日(金)全国ロードショー
極限境界線救出までの18日間
2007年に実際に起きた、タリバンによる韓国人23名の拉致事件をもとに、人質救出の交渉役として派遣された厳格なエリート外交官と、手段を選ばない現地の工作員による、韓国人救出のための交渉作戦を描いた、衝撃のサスペンスドラマ。迫るタイムリミット、2人が命をかけた最後の交渉とは…。
監督 イム・スルレ 出演 ファン・ジョンミン、ヒョンビン、カン・ギヨン他 公開 10月20日(金)TOHOシネマズ日比谷他
愛にイナズマ
今の社会を予見したかのような“アフターコロナ”の“現代”が舞台。社会の理不尽さに打ちのめされた恋人同士が、家族の力を借りて反撃の狼煙を上げる、愛と希望とユーモアに満ちた痛快なストーリー。しかし、家族が抱える“ある秘密”が明らかになった時、物語は思いもよらぬ方向へと進んで行く…。
監督・脚本 石井裕也 出演 松岡茉優、窪田正孝、池松壮亮、若葉竜也、佐藤浩市他 公開 10月27日(金)全国ロードショー
おまえの罪を自白しろ
ある日、疑惑を抱える国会議員の幼い孫娘が誘拐され、身代金の代わりに「明日午後5時までに記者会見を開き、おまえの罪を自白しろ」と脅迫される。それは決して明かすことが許されない国家を揺るがす“罪”だった…。息子で議員秘書の晄司はタイムリミットまでに家族の命を救うことができるのか!?
原作 真保裕一『おまえの罪を自白しろ』(文春文庫刊) 監督 水田伸生 脚本 久松真一 出演 中島健人、堤真一、池田エライザ、山崎育三郎、中島歩、美波、尾野真千子他 公開 10月20日(金)全国ロードショー
月
実際の障害者殺傷事件を題材に、2017年に発表された辺見庸の小説「月」を映画化。本作が描いている本質は、社会が、そして個人が問題に対して“見て見ぬふり”をしてきた現実。もはや社会派だとか、ヒューマンドラマだとか、有り体の言葉では片づけられない、今、世に問うべき大問題作。
監督・脚本 石井裕也 出演 宮沢りえ、磯村勇斗、長井恵里、大塚ヒロタ、笠原秀幸、板谷由夏、モロ師岡、鶴見辰吾、原日出子、高畑淳子、二階堂ふみ、オダギリジョー他 公開 10月13日(金)新宿バルト9、ユーロスペース他