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アカデミー賞のスピーチが話題になったオリヴィア・コールマン 不遇の時代も笑って引き寄せた幸せ

常日頃からユーモアを忘れない、オスカー女優・オリヴィア・コールマン。アルバイトをしながらオーディションを受け続ける不遇の時代にも、常に笑顔を絶やさず、とにかく笑って過ごしていたという彼女から、楽しむことの大切さを学びたい。

「エンパイア・オブ・ライト」は新型コロナパンデミックの産物!

物語の舞台は1980年代初頭のイギリスの静かな海辺の街。過去に辛い経験をして心に闇を抱えながら生活していたヒラリー(オリヴィア・コールマン)は、地元民に愛されているエンパイア劇場という映画館で働いていました。そのエンパイア劇場に黒人の青年スティーブン(マイケル・ウォード)がバイトとしてやってきます。ヒラリーはスティーブンに仕事を教えたり施設を案内するうちに、彼の好奇心に溢れた行動や前向きに生きる姿勢に感化され、生きる希望を掴みかけるのですが…。

「この作品は新型コロナウイルス・パンデミックの産物だ」と、サム・メンデス監督はインタビューで答えています。世界中がロックダウンとなり気軽に外出するのがままならなくなったあの時期、誰もがこれまでの人生を振り返り未来に不安を抱えていたと思いますが、サム・メンデス監督も世の不条理と向き合う時間ができたことが、この物語を書く動機となったそうです。

心に闇を抱える二人 人生に安らげる光(ライト)を求めて

主人公のヒラリーは過去のトラウマを抱えながらも必死に生きています。劇場の仕事仲間はとても優しく、ヒラリーも友好関係を築いてはいますが、彼女の繊細さも影響して完全に馴染めてはいませんでした。そんな鬱屈とした日々を過ごしていたヒラリーの前に現れたスティーブンという青年の愚直さと好奇心に彼女は惹かれます。

エンパイア劇場の最上階で怪我をして飛ぶことができない野鳥を見つけたスティーブンは、その鳥を介抱して数日後に空に羽ばたかせようとします。ヒラリーもスティーブンも心に闇を抱えています。そんな二人の置かれている環境と傷つきながらも空を飛び立とうとする野鳥の姿が重なりました。人は挫折やすれ違いを繰り返しながらも、自分の人生に安らげる光(ライト)を求めています。2023年の最注目作品「エンパイア・オブ・ライト」を是非劇場で体験してみてください。

笑顔とユーモアを忘れずオスカー女優へ

本作主演のオリヴィア・コールマンはイギリスで生まれ十代の頃から演技を学び始めますが、女優の仕事だけで生活するのは難しくバイトをしながらオーディションを受ける日々を過ごしていたそうです。そんな彼女はキャリアを重ねて次第にラジオドラマやTVシリーズに出演するようになり、シットコム(シチュエーション・コメディ)ドラマ「ピープ・ショー ボクたち妄想族」で、主人公に恋する人の良い同僚役を演じてイギリス国内で評価を得ます。その後、オリヴィアにとって大きな転機となった作品が、ドラマ映画「思秋期」で、彼女の演技は絶賛されイギリス国内の演技賞を受賞。

その後、数多くのテレビドラマや映画に出演した上で、女優の地位を確実にしたのが、映画「女王陛下のお気に入り」です。彼女は主演のアン王女を演じて、遂にアメリカ・アカデミー賞で念願の最優秀主演女優賞を獲得しました。

オリヴィアは若い時からコメディ作品に出演していたこともあり、インタビューなどの受け答えなど、常日頃からユーモアを忘れません。オスカー受賞のスピーチでも、自ら爆笑しながら「私がオスカーをとるなんて」と話し始め、観客の笑いを誘ったそのトークはSNSでも話題になったほどです。決して順風満帆な女優生活ではなかった彼女ですが、(「思秋期」に出演したのが37歳)辛い時もとにかく笑って過ごしていたと言います。

【自分もいつかテレビでスピーチするかもと練習している少女全員に伝えたいのは、将来何がどうなるかなんて分からないってこと! 私は昔、清掃員の仕事をしてたんだから。でもあの仕事が大好きだったけどね】(オリヴィアのオスカースピーチ)

人生には辛いことが必ず訪れますが、オリヴィアのようにそんな時こそ笑顔で楽しむことができれば、自然と幸せが舞い込んでくるかもしれません。

エンパイア・オブ・ライト

©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

監督・脚本  サム・メンデス
出演  オリヴィア・コールマン、マイケル・ウォード、コリン・ファース、トビー・ジョーンズ、ターニャ・ムーディ、トム・ブルック、クリスタル・クラーク 他
公開  2⽉23⽇(木・祝)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

この記事を書いたひと

コトブキツカサ(映画パーソナリティー)
1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

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