児童精神科クリニックを舞台とした医療漫画『リエゾン―こどものこころ診療所―』がドラマ化される。連載開始から、ファンが増え続けている本作で、臨床心理士を演じる栗山千明さんに、作品への意気込みや2023年の抱負を伺いました。
「こんな女性になりたい」と憧れを抱いた役
― 人気漫画『リエゾン―こどものこころ診療所―』が待望のドラマ化ということで、楽しみにしている方がたくさんいらっしゃいますね。
「ありがとうございます。まさにこれからクランクインするところなのですが、原作を読ませていただいたところ、とても身近に感じられるストーリーだったので、観てくださるみなさんからの反響がとても楽しみです。ドラマの舞台が子どもを対象とした精神科クリニックのため、発達障害などセンシティブなテーマを扱ってはいるのですが、実際、周りの子と同じようにできないことで悩んでいる子どもはたくさんいると思いますし、その子の悩みに寄り添ったり、一緒に考えたりすることによって、自分自身に向き合うこともできると思うので、私自身、作品を通して多くのことを学んでいけたらなと思っています」
― 原作漫画、脚本を読んでどんなことを感じましたか?
「たとえば、ちょっとした一言をかけてもらうことで救われる子がいることなどを知り、自分自身も思いやりを持って適切な行動がとれる人にならなければいけないなと考えさせられました。私が演じる臨床心理士の向山は、困っている子どもたちを見守りながら、さりげなく手を差し伸べられるようなやさしい女性なので、脚本を読み進めながら、“こんな女性になりたいな”と憧れを抱きました」
― ご自身とは異なる女性像ですか?
「向山はあまり感情が前面に出るタイプではなく、何事も内に秘めている女性ですが、私自身は周りから“すごくわかりやすいタイプ”と言われるので、その点は違うのかな(笑)。でも、セリフを読んでいると共感する部分はたくさんありました。なにより、彼女から学べることがたくさんあるのがうれしいです」
― 臨床心理士という設定もあって、心の健康についても考えることが多いかと思いますが、栗山さんご自身は、心が疲れたときはどのようなセルフケアを心がけていらっしゃいますか?
「“よく食べてよく寝る”ですね。あと、私は、忙しくお仕事をさせていただいているほうが性に合っているみたいです。時間に余裕があると、ちょっとしたことで考え込んでしまったり、そのことばかりに気を取られてしまうので。嫌なことがあっても、考えるのを後回しにできるくらい忙しいほうが、メンタル的には健康を維持しやすいのかなと感じます」
“リエゾン” の浸透で生きづらさを感じている子を社会みんなでサポート!
― 共演者の方々との顔合わせはこれからですか?
「そうなんです。主演の山崎育三郎さんとは何度か共演させていただいているので、またご一緒できるのが楽しみですし、松本穂香さんと一緒にお芝居をさせていただくのは初めてですが、原作漫画の雰囲気にぴったりだなと、個人的に感じていました。可愛らしい遠野先生をどう演じられるのか、楽しみにしています。それに、撮影のセットを見せていただいたところ、とても明るくて心落ち着く映像が浮かんだので、観てくださる方もあたたかい気持ちになれると思います」
― ドラマをきっかけに、“リエゾン” の認識も広まればいいですね。
「そうですね。“リエゾン” は、医師や臨床心理士が、他の診療科と、さらに教育や福祉などの現場とも連携しながら、チームとして総合的な医療サービスを行うことだそうですが、もっと浸透することで、生きづらさを感じている子どもたちをみんなでサポートできる社会になれたらいいなと思います」
― 1月クールでは、NHKのドラマにもご出演とのことですが、全く異なるキャラクターと伺いました。
「そうなんです。そんな笑い方する?というくらいの高笑いで、すごく鼻につく性格の女性を演じています(笑)。『ワタシってサバサバしてるから』という、こちらも漫画原作の作品なのですが、“ザ・コメディ” という感じなので、たくさん笑っていただけると思います。『リエゾン』の向山とは被る要素がまったくないので、両方の栗山千明を楽しんでいただけたらと思います」
2023年には、39歳に!実現していく年にしたい
― 新年からいろんな栗山さんが観られてうれしいのですが、お忙しい日々の中で健康管理は大変では?
「忙しくしているのは好きですし、健康面も心配はないのですが、マスク荒れが酷くなりがちなのが悩みです。肌がカサついたり、すぐに鼻の頭が赤くなってしまうので、こまめに保湿を心がけています」
― 食事面で気を付けていることは?
「前向き過ぎるのかもしれませんが、“食べたいと思うものは、身体が欲しているもの”という考えで、そのとき食べたいと思ったものを食べるようにしています。お魚も鶏肉も生のものが大好きです」
― 最後に、新年1月号ということで、2023年の抱負や目標は?
「2023年には、39歳になるので、30代のうちにやるべきことを決めて、実現していく年にしたいです。といっても今のところ具体的なアイディアはまだないので、まずは“やりたいことリスト”を作るところからですね(笑)。40代になったときに楽しく振り返ることができるような、思い出になることを実行していけたらいいなと思います」
Profile
1984年生まれ。1999年映画「死国」で女優デビュー。2003年公開のハリウッド映画「キル・ビルVol.1」に出演し、注目を集める。その後も「図書館戦争」、「遺留捜査」、「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」など、数多くの映画やドラマ、舞台に出演。2022年内は、12月29日(木)「幻解! 超常ファイル スペシャル」(NHK)、30日(金)「晩酌の流儀」(テレビ東京)への出演、2023年1月からは、「リエゾン−こどものこころ診療所−」(テレビ朝日系)、「ワタシってサバサバしてるから」(NHK)への出演を控える。
「リエゾン−こどものこころ診療所−」
脚本 吉田紀子 演出 Yuki Saito、小松隆志、竹園元 出演 山崎育三郎、松本穂香、栗山千明 他 放送 テレビ朝日系 1月20日(金)スタート! 毎週金曜よる11:15〜0:15放送(※一部地域で放送時間が異なります)
Photo Ryuta Seki
Styling ume.
Hair&Make Seiichi Okuhara
Text Reiko Matsumoto