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007や“アデル”に出演のレア・セドゥ 過去の問題を公にして女優の地位向上に貢献

大富豪の家で育ち、20歳の頃に女優としてデビューした「レア・セドゥ」。自分が身を置く職場の問題点をスルーせず、未来の発展と進化のために、誰もが躊躇するような問題にも真摯に向き合い発言する、彼女の勇気に学びたい。

深い愛ゆえにねじれる想い…最新作「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」

舞台は1920年のマルタ共和国。船長のヤコブ(ハイス・ナバー)は、渡航中に食事を取ると腹痛に見舞われることが度々あり、料理長に相談します。すると普段の食生活も含め妻のありがたさを料理長は語り、独身のヤコブの不摂生を指摘します。その数日後、ヤコブはカフェで友人と語りながら次に店内に入ってきた女性に告白して結婚するという賭けをします。するとリジー(レア・セドゥ)という美しい女性が現れ、ヤコブは彼女にプロポーズするのです。リジーはヤコブの提案を受け入れ、その週末に2人だけの結婚の儀式を行い幸せな生活が始まります。しかし彼女の友人であるデダン(ルイ・ガレル)が登場するとヤコブは2人の関係を疑い、嫉妬に駆られるようになるのです…。

本作のオリジナルの副題は「船乗りヤコブと七つの教訓」なのですが、物語の構成的に、
1. しかるべき問題解決とは
2. 社交生活の迷宮で
3. 舵取りが不能に
4. 官能の力とは
5. 事実を追い求めて
6. 別れの時
7. 7年後
と、7つの章立てとなっています。このセパレート・ストーリーが物語を立体的にして、ヤコブとリジーの関係の推移を分かりやすく提示するのです。ヤコブは妖艶で美しいリジーのことを深く知らずに結婚しますが、次第に彼女の闇の部分に触れ疑心暗鬼となります。

リジーと彼女の友人デダンの関係を疑い嫉妬して、デダンから、「貴方が例の老船乗りですか」と話しかけられると、「ならば君はドブネズミか」と返します。日を追うごとにリジーへの憎悪が増していき、彼女に対しての愛情も変化していくのです。

夫婦の愛と嫉妬を描いた本作は、スタンリー・キューブリック監督の遺作となった「アイズ・ワイド・シャット」にも通底する物語で、相手のことを深く愛するが故にその想いがねじれてしまう人間の性(さが)を描いています。物語の終盤にヤコブは、「人生は戯れに満ちた変化の連続にすぎない」と悟ります。他人に何かを強く望んだとしても、結局は思い通りにはならないのです。 人生はなすがまま流れに身を委ねるしかないと暗示する「ストーリー・オブ・マイ・ワイフ」を是非劇場で体験してみてください。

女優としてのキャリアハイを更新 でも“組織の言いなりにはならない”

そして、本作に登場するレア・セドゥ。フランス・パリで生まれ、祖父は映画会社の会長、母親は石油会社の創設者の孫という大富豪の家で育ちました。20歳の頃に女優としてデビューし、映画「美しいひと」でセザール賞の新人女優賞にノミネートされます。

その後クエンティン・タランティーノ監督作「イングロリアス・バスターズ」への出演でハリウッドに進出し「美しき棘」、「マリー・アントワネットに別れをつげて」への出演を経て「アデル、ブルーは熱い色」でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞するのです。

「007」シリーズのボンドガールも演じたレア・セドゥは、女優としてのキャリアハイを更新していますが、決してスタジオ側やスタッフの言いなりにはなりません。例えば、インタビューで、彼女の出世作となった「アデル、ブルーは熱い色」への出演は自分の映画人生のレベルを変えてくれたと感謝を述べつつ、当時の撮影のやり方への問題を提起し、セクシャルなシーンに対する監督のアプローチを批判しています。

過去の現場での問題をスルーせず、公にすることで今後の映画界の発展と進化を願うレアの発言は大変重要であり、組織に対して恐れず意見する彼女の姿勢は女優の地位向上に大きく貢献しているのです。問題に対する批判は誰しもが躊躇しますが、時にレアのような勇気も必要なのです。

『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』

©2021 Inforg M&M Film Komplizen Film Palosanto Films PyramideProductions RAI Cinema ARTE France Cinéma WDR/Arte

監督・脚本  イルディコー・エニェディ
出演  レア・セドゥ、ハイス・ナバー、ルイ・ガレル、セルジオ・ルビーニ、ルナ・ウェドラー 他
公開  8⽉12⽇(金) 新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、ユーロスペース 他

この記事を書いたひと

コトブキツカサ(映画パーソナリティー)
1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

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