話題作『ケアニン』 戸塚純貴が見せる敬意と小さな思いやり

2017年の劇場公開から3年を経た今なお、各地の劇場で上映されている映画『ケアニン~あなたでよかった~』。

国内外での上映回数1300回を超える話題作の新作が、今春、遂にお披露目となる。新作タイトルは、『ケアニン~こころに咲く花~』。

主人公の大森圭を演じる戸塚純貴さんに、3年ぶりとなる同作に込めた想いを伺った。

パワーワードのセリフで自分を見つめ直した

― シリーズ2作目となる本作でも介護福祉士を演じられていますが、この作品に携わる前は、介護に対してどんなイメージを抱いていましたか?

「正直に言うと、最初は少し堅いイメージがありました。だけど1作目の撮影前、老人ホームに遊びに行かせていただいたことで認識が変わりました。

その施設はユニフォームがなく、スタッフと利用者さんの見分けがつかないくらいアットホームな雰囲気。

利用者が自分で食事を作ることもあるし、いろんなことにチャレンジするのを支援している施設でした。

その日、みなさんと接した中で、「認知症になっても、ピアノや料理などの『手続き記憶』と呼ばれる“手が覚えている記憶”は消えないことも知りました。

介護に関しても認知症に関しても衝撃を受けることだらけだったので、みんなにも正しい知識を知ってもらいたいと思ったことで、撮影に入る心構えができました」

― その結果として1作目はかなりの反響でしたね。

「ありがたいことです。特に、福祉関係のお仕事に従事していらっしゃる方や、そうしたお仕事を目指している学生さんから支持があったのがうれしかった。

それと、作品を観てくださったおばあちゃんおじいちゃんが、上映会やイベントで、役名の“大森さん”って呼んでくれるのもうれしかった(笑)

観てくださった方は、僕のことを大森さんだと思ってるんですよね。
第二弾でも、その気持ちとか期待を裏切っちゃいけないと心に誓いました」

― 固い決意のもと挑んだ本作の撮影はいかがでしたか?

「第一弾があったおかげで、監督やスタッフとの共通言語もできていたのでスムーズである一方、第一弾の小規模な施設とは異なる大型の特別養護老人ホームが舞台だったので、気持ちも新たに挑めました。

小規模な施設で働いていた圭にとっては学ばなきゃいけないことがたくさんある状況で、圭と一緒に成長できたんじゃないかな。

映画のパワーワードともいえる『できない理由を探すんじゃなくてできる方法を考えようよ』っていうセリフがあるんですけど、その言葉も、自分を見つめ直すきっかけになりました。

介護の仕事のみならず、自分の仕事にも通じる言葉ですから」

言葉にならない言葉を2倍のエネルギーで感じ取る

― 撮影を通して知った介護の大変さと醍醐味を教えてください。

「施設の利用者さんとコミュニケーションをとるにあたって、相手の目を見て、言葉にならない言葉を感じ取るためには、その分スタッフ側が2倍のエネルギーを使うことが必要です。

これは、実際に演じてみて肌で感じたこと。

相手の心が動く瞬間を見逃さないよう集中することはすごくエネルギーを消耗するし、こちらが喋らずに静寂が生まれることを怖いとも感じました。だけど、そうやって真摯に接していく中で相手から学ぶことはたくさんある。

みなさん人生の大先輩なので、知らないことも教えてくれるし、心があたたかくなる笑顔を返してくれることもある。

相手への敬意を忘れず、小さな思いやりを積み重ねていくことで、介護の在り方や介護に対する認識がもっとよくなると信じています。

みんなにもそこに目を向けてほしいから、まずはこの映画を通して、介護について考える機会をもってくれたらうれしいです」


戸塚純貴 Profile
1992年生まれ。
代表作に、映画「銀魂2」、ドラマ「Doctor-X外科医・大門未知子」などがある。主演ドラマCSフジテレビ「純喫茶に恋をして」がスタート。
MBSドラマイムズ「死にたい夜にかぎって」、4月9日~舞台『たけしの挑戦状ビヨンド』に出演。

TEXT Reiko Matsumoto
PHOTO Shinji Kubo
STYLING GEN USHIDA
HAIR&MAKE Yukari “JOE” Odagiri

(C)2020「ケアニン2」製作委員会

監督 鈴木浩介
出演 戸塚純貴、島かおり、綿引勝彦他
公開 4月3日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか

 

この記事を書いたのは
Poco'ce

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