天才子役から演技派女優へ 姉の幼少期を演じた“妹” エル・ファニング

エル・ファニング主演「ティーンスピリット」

天才と呼ばれた姉ダコタを凌駕する非凡な才能で演技派女優へと進化したエル・ファニング。今作「ティーンスピリット」では、鳥肌モノの歌唱力を披露。

本作が教えてくれる人生:それは「選択の連続」

イギリスのワイト島で母親とふたり暮らしのヴァイオレット(エル・ファニング)は、友達も少なく孤独な日々を過ごしていましたが、唯一心の拠り所として信じているのが「音楽」でした。

そんな彼女がバイト先のパブのステージで歌い終わり帰宅しようとすると、元オペラ歌手のヴラド(ズラッコ・ブリッチ)に声をかけられ歌声を称賛されます。

その数日後、ヴァイオレットは国際的人気を誇るティーンスピリットというオーディション番組がワイト島で開催されることを知り参加を決意。

しかし未成年の参加者には保護者か後見人が必要だと知り、母親には頼めない彼女はパブで知り合ったヴラドに依頼すると、彼は将来自分をマネージャーにしろと要求。ヴァイオレットもそれを受け入れオーディションに参加するのですが…。

「私はここよ、なぜ気づかないの?」

生きることの意味を音楽に見出したヴァイオレットは、心の奥底にある魂(スピリット)を絞り出してオーディエンスに向け歌います。ヴァイオレット自身の人生を変えたいと強く願う気持ちが歌声と重なり、観客へストレートに放たれるのです。

現代社会では人生を劇的に変化させるコンテンツは多様で、YouTube、Twitter、Instagramなどを自己メディアとして世間にアピールして成功している人は沢山います。

動画サイトがなければ今のジャスティン・ビーバーは存在しないかもしれませんし、アーティストをフックアップするオーディション番組が存在しなければ、ケリー・クラークソンにもキャリー・アンダーウッドにもジェニファー・ハドソンにも世間は気づかなかった可能性があるのです。

オーディション番組「ティーンスピリット」で勝ち進むヴァイオレットには、人生の選択が突きつけられます。思い悩みながらも彼女は自分の信じた道を選びますが、もちろんその選択が正しいかどうかは誰にも分かりません。

人生は選択の連続で、その都度可能な限り思考し行動を実践しなければいけないと本作は教えてくれるのです。

「バベル」や「ベンジャミン・バトン」「マレフィセント」に出演

現在21歳のエル・ファニングは、元野球選手の父親と元テニス選手の母親のもとに生まれ、2歳の頃から芸能活動を始めましたが、ショウビズの世界に数多くいる子役俳優とは、ややキャリアに違いがあります。

それはエルの姉である女優ダコタ・ファニングの存在。
彼女は7歳の頃に映画デビューして以来、天才子役と騒がれショーン・ペンの娘役として出演した「アイ・アム・サム」での演技が絶賛されて、多くの映画賞を受賞します。

そんなダコタの幼年時代役としてエルはデビューするのです。

天才女優ダコタの妹というポジションで役者を始めたエルですが、次第に演者としての非凡な才能が映画関係者に認められる様になり、単独での映画出演が増えていき、ジェフ・ブリッジスとキム・ベイシンガー主演の「ドア・イン・ザ・フロア」での演技で、完全に役者としての地位を確立しました。

僕の個人的見解で言えば、この作品に出演した頃からエル・ファニングは、ダコタ・ファニングの妹という世間的認識から脱却したのではないかと思っています。

その後のエルは、イニャリトゥ監督「バベル」、デヴィッド・フィンチャー監督「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」、ソフィア・コッポラ監督「サムウェア」など、大物監督作品に出演。そして、J・J・エイブラムス監督「スーパーエイト」に出演した後に、ディズニー映画「マレフィセント」で、アンジェリーナ・ジョリーと共演するのです。

ダコタ・ファニングの妹という立場でデビューしたエル・ファニングは、着実に映画の撮影現場でキャリアを積み、姉であるダコタという存在を乗り越えて自立していったのです。

(C)2018VIOLETDREAMSLIMITED

「ティーンスピリット」

監督・脚本 マックス・ミンゲラ
出演 エル・ファニング、レベッカ・ホール他
公開 1月10日(金)角川シネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国ロードショー

この記事を書いたひと

コトブキツカサ(映画パーソナリティー)

1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パソナリティ」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

この記事を書いたのは
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