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人気コミック『空母いぶき』実写化 西島秀俊×佐々木蔵之介が感じた平和

累計発行部数3 0 0 万部を越える人気コミック『空母いぶき』が実写映画化。主演は、空母いぶきの艦長、秋津を演じる西島秀俊さんと副長、新波を演じる佐々木蔵之介さん。「現場は連日緊迫した中で行われた」というおふたりに作品についてのお話を伺った。

西島秀俊/1971年生まれ、東京都出身。1994年『居酒屋ゆうれい』で映画初出演。その後も多くの映画やドラマに出演。近年の出演作は、映画「人魚の眠る家」、ドラマ「きのう何食べた?」など。

今ある平和の素晴らしさや幸せを改めて感じられる作品必ず満足して頂けると思います

作品の舞台は、世界が再び“ 空母の時代”へと突入した20××年。
日本の最南端沖で国籍不明の漁船20隻が突如発砲するという事件が起きる。
波照間群島の一部が占拠され、海保隊員が拘束されたというニュースに、政府はこれまでにない緊張感に包まれる。
そこで政府は戦後初の航空機搭載護衛艦「いぶき」を中心とする護衛群艦隊を現場に向かわせるが… というストーリーだ。
お互いの役柄についてお聞きすると。

西島 蔵之介さんが演じる新波は、きっと見た方が一番感情移入できる人間味溢れる役。戦いを回避しながら平和の道を模索する役で、その新波の役を蔵之介さんがガチッと作ってくれたので、僕の演じる秋津は逆に「いや、戦わなければ守れない命がある」と対比した役をしっかり作ることができました。

佐々木 秋津は一言でいうと何を考えているか読めない男なんですよね。何かを見通しているのだけど、そこまでのプロセスも語らなければ先に見えているものも明かさない。でも、秋津も新波も目的は“平和を守ること”なんです。目的は一緒なんですが、方法論や行動が全然違う。なので、冷静な秋津に対して、僕が感情を表に出した方が対比して見えるのではないかと考えました。

「でも秋津は本当に何も語らないんだな…」と佐々木さんは笑いながら続ける。

佐々木 結論しか言わないし、過程を言わないんですよ。大事な決断をするときに「戦闘機乗りにはわかる」なんて言うんですけど、その説明がまったくない(笑)。だからこそ僕たち周囲が言葉を尽くして言うのですが。

西島 今回は本当に蔵之介さんをはじめ、色んな役者さんたちが「結局秋津って何者? 何を考えているんだ?」というのを意見したり、表情に出してくれる。そこに光が当たる中で秋津という人間が浮かび上がってくればいいなと。でも新波は秋津をわからないといいつつ、信じてくれてるんですよ。他の隊員は秋津に対して「もしかしたら戦争したいんじゃないの?」と疑う瞬間があるんですけど、新波だけは常にこいつも同じ思い。とにかく戦争をしないために戦っていることを信じているんですよね。その思いがあるので逆に僕は一切説明をしない人物、ただ責任と国を背負う覚悟で戦っているキャラクターを演じることができました。

佐々木蔵之介/1968年生まれ。京都府出身。1990年に劇団「ピスタチオ」の旗揚げに参加。1998年の退団まで全作品に出演。その後、ドラマや映画など多方面で活躍。現在、映画「居眠り磐音」が公開中。6月には、映画 「WE ARELITTLE ZOMBIES」が公開予定。

「戦闘」と「戦争」の違いや「専守防衛」の難しさを一緒に考えてもらえたら嬉しい

撮影に入るにあたり、実際に自衛隊の船や戦闘機のコックピットに入ったり、自衛官の方を取材したというおふたり。

西島 隊員の方をはじめ、整備の方など、本当にたくさんの方のお話を伺いました。そこで秋津の空自出身らしさを作れた気がします。というのは、飛行機乗りはコックピットの中で瞬間的に判断をしなければならない。それが国を背負った判断になるという重責があります。対して海自は船を家族と捉えていて、話し合いを尊重しながら方針を決めるそうです。長く考えてベストな判断を下すより、瞬間的にベターな判断を繰り返しできる人の方がパイロットとしては優秀という考えは秋津というキャラクターに色濃く反映されていますね。

佐々木 実際に現場を拝見して痛感したのは「戦闘態勢につく」という言葉が出るということが、いかに大変な局面かということ。セリフではたったひと言ですが、その重さを身をもってわかることができたのは大きかったですね。でも現場で説明されることが戦う話ばかりなんですよ。それには正直驚きました。それはそうなんですよ、そうなんですけどね…。グサッと来たというか、それが仕事なんだなと、改めて考えると心にずしっと響いてしまって…。

西島 蔵之介さん自身が平和ということを真剣に考えて求めているというのはすごく感じましたし、心の底から戦争に反対しているという想いを強く感じました。そのおかげで、台本を読んだ以上に新波に魂を込められたように思います。
あとは、みんなを家族と呼んでわっとまとめる感じも本人と似ている。現場を盛り上げてアットホーム感を出せるところは新波副長にかぶるなと思います。佐々木さんに西島さんと秋津が似ている部分を伺うと、西島さんが「僕こんな人じゃないですよ」と笑う。

佐々木 そうだね、こんなんじゃないね。もっと人当たりはいいです(笑)。でも現場に、穏やかにストンと立たれてるところは似てるかな。秋津はどんなに戦況が変わろうが、冷静に先を見据えていて。西島さんも現場の進行が遅くなろうが、何が起ころうが真ん中に立ち続けていられる、その背中に僕たちはついていくというところが似てます。

西島 この映画は手に汗握るエンターテインメントとしても本当に素晴らしいとても面白い作品ですが、なおかつ映画館を出たときにそこには今、平和があって、その平和の素晴らしさを実感することのできる作品です。観た方にきっと満足して頂けると思うので、たくさんの方に観て頂きたいです。

佐々木 西島さんと同じく、今ある平和、この幸せを映画館を出たときに感じられると思います。僕も撮影しながら考えた「戦闘」と「戦争」の違いであるとか、専守防衛の難しさであるとかを映画を観ながら一緒に考えてもらえたら嬉しいです。最後に今月号の特集にちなんで女性の美についてお聞きすると。

西島 最近の女性は本当に綺麗で素敵だと思いますね。みんな仕事をしたり主婦業に忙しい中、ちゃんと自分の手入れをしているのは素晴らしいです。でも僕はいつも完璧な人より、普段頑張っている人がふと見せる自然な瞬間というか、ちょっと抜けている瞬間にグッと来たりしますね(笑)。

佐々木 女性が美を求めて色々と頑張っている行為は美しいですよ。僕たちが役に向かおうとするエネルギーと一緒です。美は平和と同じくらい、永遠のテーマです。みなさん方法論は違えど、死守すべき美です(笑)。僕はその頑張りは絶対成果となって現れると思うし、応援しますよ。

PHOTO / Tsubasa Tsutsui TEXT / Satoko Nemoto
Hidetoshi Nishijima
STYLING / TAKAFUMI KAWASAKI (MILD)
HAIR&MAKE / MASA KAMEDA (The VOICE)
Kuranosuke Sasaki
STYLING / Norihito Katsumi (Koa Hole inc.)
HAIR&MAKE / Tatsuya Nishioka (Leinwand)

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copyright かわぐちかいじ・惠谷治・小学館/『空母いぶき』フィルムパートナーズ

「空母いぶき」
原作/かわぐちかいじ「空母いぶき」(小学館「ビッグコミック」連載中)
脚本/伊藤和典、長谷川康夫
出演/西島秀俊、佐々木蔵之介、本田翼、玉木宏、中井貴一、佐藤浩市 他
公開/5月24日(金)より全国ロードショー
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