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『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』のシガニー・ウィーバー “正統派じゃない自覚”が挑戦の源

大ヒット作「エイリアン」のエレン・リプリー役を射止め、その名を世界に知らしめた女優・シガニー・ウィーバー。世界的なセレブとなり演技を評価されるようになっても、ニッチな作品からテレビのコメディ番組にまでも挑戦し続ける彼女に学びたい。

“何者かになりたい”少女の夢を追いかけるダイアリー

舞台は1990年代のアメリカ・ニューヨーク。幼い頃から作家を目指していたジョアンナ(マーガレット・クアリー)は、夢を追い求めて老舗の出版エージェンシーの面接を受け、J・D・サリンジャー担当のマーガレット(シガニー・ウィーバー)のアシスタントとして働き始めます。彼女の仕事は世界中から毎日大量に届くサリンジャーへのファンレターを処理すること。

しかし思いのこもったファンからの手紙を読むにつれ定型文を送り返す作業に違和感を覚えはじめ、個人的に手紙を返信するようになるのです。

“平凡は嫌。特別になりたかった…。” 小説家を目指しているジョアンナは夢を諦めず出版業界に潜り込みますが、ニューヨークという大都会で理想と現実の狭間で揺れ動きます。“何者” かになりたくて都会に移り住む人達の中で、その思いが成就するのは才能があり運を掴んだひと握りの成功者だけで、多くの挑戦者が挫折するのが現実ですが、「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」では、結果は大事だけれど過程はもっと重要だと示唆するのです。

物語終盤、とあるミッションをクリアしたジョアンナにマーガレットが “お手柄よ” と成果を労うシーンがあります。上司から褒められたジョアンナは充実感を感じながらもその場に留まらず次のステージに進むのです。

本作はとても静かな物語で、ややもすれば刺激が薄く退屈だと感じる観客がいるかもしれません。しかし、僕は都会に住む若者の普遍的な成長物語を超えた “静寂の中の情熱” を感じ、ラストカットで身震いするほど心が揺れ動きました。夢が叶わなかったとしても、その時の強い気持ちは誰にも(本人でさえも)否定できないのです。

“スーザン”から“シガニー”へ 本名と決別しキャリアを築く

本作でベテランのエージェントを演じたシガニー・ウィーバーは、アメリカ・ニューヨークで生まれ、父親はテレビ局のプロデューサー、母親は女優のエリザベス・イングリスという芸能一家で育ちました。彼女はスーザン・ウィーバーという本名が好きではなかったらしく、14歳の頃から「グレート・ギャツビー」に登場するシガニー・ハワードから、自らシガニー・ウィーバーと名乗り始めたそうです。

役者を志しイェール大学で演技を学び(クラスメートはメリル・ストリープ)数々の舞台に出演して評価を得た後、1977年にアカデミー作品賞を受賞したウディ・アレン監督の「アニー・ホール」に端役として出演し、映画デビューを果たします。(ちなみにアニー・ホールでは、シガニー同様にクリストファー・ウォーケン、ジェフ・ゴールドブラム、ジョン・グローヴァーも端役として出演)

そして、シガニーの大きな分岐点となったのが1979年公開の「エイリアン」のオーディションを受け、エレン・リプリー役を射止めたこと。エイリアンは世界的に大ヒットしてシガニー・ウィーバーの名は世界に知れ渡り、その後「危険な年」や「ゴーストバスターズ」への出演を経て、「ワーキング・ガール」でゴールデングローブ賞助演女優賞を獲得し、「愛は霧のかなたに」では同賞の主演女優賞を受賞するのです。

シガニー・ウィーバーという人物を一言で表現するならば、“挑戦する女優” です。世界的なセレブとなり演技を評価されるようになっても、様々なジャンルの映画に出演し、テレビのコント番組では積極的にコメディ演技を披露します。(時にはセルフ・パロディ役も)

彼女はインタビューで自分のことを “正統派ではない” と言い続けています。自分が正統派ではないという自覚があるからこそ、ベテランの領域に入っているにもかかわらず、アカデミー賞狙いの作品だけでなく、映画愛好家が喜ぶニッチな作品にも出演し続けるのです。

『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』

9232-2437 Quebec Inc – Parallel Films (Salinger) Dac (C) 2020 All rights reserved.

監督・脚本 フィリップ・ファラルドー
出演 マーガレット・クアリー、シガニー・ウィーバー、ダグラス・ブース、サーナ・カーズレイク、ブライアン・F・オバーン、コルム・フィオール 他
公開 5月6日(金)新宿ピカデリー、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町 他

この記事を書いたひと コトブキツカサ(映画パーソナリティー) 1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

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