ダコタ・ジョンソン「自分を好きになる生き方」『Our Friend』

セレブ一家に生まれ、プライベートをあまり語らないダコタ・ジョンソン。 鬱病を克服してハリウッドでの確かなポジションを獲得した彼女からの学びは、ありのままの自分と向き合い、世界で一番自分を好きになるというポジティブな生き方。

幸せな家庭に訪れる末期ガンの宣告

ジャーナリストのマット(ケイシー・アフレック)は、舞台女優として活躍していたニコル(ダコタ・ジョンソン)との恋愛を経て結婚し、2人の子宝に恵まれ幸せな生活を送っていました。

しかし突然の不幸が家族を襲います。体調を崩していたニコルが病院で検査をすると、医者から末期ガンの宣告を受けるのです。

ニコルへの献身的な介護や子育てに追われ、マットが精神と肉体の疲労を感じている最中、夫婦にとって昔からの親友であるデイン(ジェイソン・シーゲル)が2人のためにやって来て、子供達の世話や夫婦の精神的なサポートを無償で行うのです。

マットとデインはそれぞれの想いを胸に秘めながらニコルの闘病生活を支え、彼女はそんな2人に感謝しながらも苦しい日々を過ごすのですが…。

大切な人のためなら目標に向かって頑張れる

映画の本編が終結してエンドロールを眺めながら思ったのは “人は自分のためだけに努力するのは難しい” ということ。

マットはジャーナリストという仕事に誇りを感じながらもニコルのために何ができるのか考え、ニコルは病魔に襲われ不安な日々を過ごしながら夫や子供達のためにも懸命に生き続けようとし、デインは過去世話になった親友夫婦のために自分の生活を顧みず家族をサポートするのです。

3人が初めて会った夜、マットはデインに「ジャーナリストとして世の中が変わるような記事をいつか書きたい」と希望を語り、デインは将来スタンダップコメディアンになりたいと夢を話します。するとマットが「ネタは書いているのか?」とデインに聞き、彼は「ネタはまだ書いていない。その前に実家を出ないとね」とジョークで返します。

まだ何者でもない2人のたわいもない会話ですが、夢や希望をソーシャルメディアで書き綴って満足している人がもしいるとするならば、目標を叶えるのは小さな一歩であり、その一歩が全ての始まりだという暗示だと僕は解釈しました。

余命を題材にした作品は沢山ありますが、その中でも人間の弱さや醜さ、嫌らしさや温かさを余すところなく描いた「OurFriend/アワー・フレンド」を是非劇場で体験してみてください。

プライベートを語らないダコタ 14歳から鬱病だった

そして、本作に出演しているダコタ・ジョンソンは、俳優のドン・ジョンソンとメラニー・グリフィスの娘としてテキサス州で生まれました。

彼女は幼い頃からダンサーを目指して稽古を積んできましたが、ファッション誌に掲載された自分の姿を見てモデル活動に興味を示し、その後母親メラニー・グリフィス出演の「クレイジー・イン・アラバマ」で映画デビューを果たします。

モデル活動と女優活動を並行して行っていたダコタですが、デヴィッド・フィンチャー監督作「ソシャル・ネットワーク」への出演で映画界から注目されるようになり、数々の映画やTVドラマに出演した後、映画「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のオーディションを受け主役の座を射止めるのです。

そして「サスペリア」「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」などに出演してハリウッドでの確かなポジションを獲得したのです。

プライベートをあまり語らないことで有名なダコタですが、コールドプレイのフロントマンであるクリス・マーティンとの交際は一時破局したとの報道もありましたが復縁し、彼等の楽曲のMV監督を務めるなど私生活も充実しています。

全て順調にキャリアアップしてきたように見えるダコタ・ジョンソンですが、実は両親の離婚やセレブ一家に生まれた宿命による世間の目を気にして14歳の頃から鬱病と闘い続けていると語っています。そんな彼女は「ありのままの自分」を受け入れることで自身の病気と向き合えるようになったそう。

人は往々にして変わりたいと願いますが、その前に先ず自分と向き合い、世界で一番自分を好きになるということが最もポジティブな生き方なのかもしれません。

『Our Friend/アワー・フレンド』

(C)BBP Friend, LLC – 2020

監督 ガブリエラ・カウパースウェイト
脚本 ブラッド・イングルスビー
出演 ケイシー・アフレック、ダコタ・ジョンソン、ジェイソン・シーゲル、チェリー・ジョーンズ、ジェイク・オーウェン、グウェンドリン・クリスティー 他
公開 10月15日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座 他

この記事を書いたひと

コトブキツカサ(映画パーソナリティー)

1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パーソナリティー」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

この記事を書いたのは
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