結婚式で明かされる衝撃の真実 ジュリアン・ムーア『秘密への招待状』

役者だけでなくプロデューサーとしても活躍しているジュリアン・ムーア。

人生とは妥協の連続かもしれませんが、人に何を言われようが譲れない時は必ずあるもの。そんな時、一切の妥協をせずに自分を貫くというジュリアンのスタンスに学びたい。

繋がりはじめたふたりの人生

イザベル・アンダーソン(ミシェル・ウィリアムズ)は、インドで孤児院を運営しながら多くの子供達を育てていました。そんなある日、テレサ・ヤング(ジュリアン・ムーア)というアメリカの実業家が経営する会社から大口の寄付の打診があります。

イザベルに対してテレサは、孤児院の状況を直接聞きたいとニューヨークへのエアーチケットを送りますが、インドを離れたくなかったイザベルは戸惑います。しかし孤児院の運営や子供達の未来を考えて仕方なく訪米するのです。

ニューヨークでメディア会社を経営するテレサはイザベルから話を聞き、寄付の話は前向きに進みますが結論は先延ばしにします。そして週末に催される自分の娘グレイスの結婚式にイザベルを招待します。

気分的に全く乗り気ではなかったイザベルでしたが、仕方なくその結婚式に参加すると、多くの招待客が参列する中、元恋人のオスカーを見かけます。実はテレサとオスカーは夫婦だったのです。

この再会は偶然なのか必然なのか? イザベルは混乱するのです。

マッツ・ミケルセン主演の映画をリメイク

マッツ・ミケルセン主演で2006年に制作されたデンマーク映画「アフター・ウェディング」は、同年のアカデミー賞で外国語映画賞にノミネートされた非常に評価の高い作品ですが、本作「秘密の招待状」は、主人公の性別を男性から女性に変更した上でのリメイク作品です。

劇中、グレイスの結婚式のクライマックスで花火が上がり参列者達が盛り上がるシーンがあります。皆パーティーを楽しんでいますがイザベルは元彼のオスカーとの再会に動揺しながら昔の哀しい思い出が蘇り落ち込みます。

このシーンを観ていてるとミシェル・ウィリアムズ繋がりで、映画「ブルーバレンタイン」のあの哀しいラストが頭をかすめました。

物語の中盤で森を散歩していたテレサは鳥の巣を見つけて家に持ち帰ります。その後、何度か登場するその鳥の巣は母親と子供の関係の象徴であり、この物語の大事な映画的ギミックだと感じました。人生において自由に生きることの尊さと道徳の定義を考えさせられる本作を、是非劇場で体験してみてください。

ハンニバルのクラリス役で大出世

ジュリアン・ムーアはアメリカで生まれましたが、父親の仕事の関係で国内そしてドイツなど生活拠点を転々とします。そしてフランクフルトの高校に通っている頃、学校の演劇部の顧問からの薦めで舞台に出演して役者に目覚め、ボストン大学で演技を学び、その後ニューヨークでウェイトレスをしながらオーディションを受ける生活を送っていました。

次第にテレビドラマや舞台に出演する様になり、「ゆりかごを揺らす手」への出演で世間の注目を浴び、「ジュラシック・パーク」「ブギーナイツ」「マグノリア」などの話題作出演でブレイクスルーを果たし、「ハンニバル」のクラリス役でハリウッドでのAクラスセレブとなったのです。

ジュリアン・ムーアは、大作映画だけでなく積極的にインディーズ作品にも参加していますが、そんな彼女の演技は批評家や観客からの評価がとても高く、いままでアカデミー賞では4回(主演2回、助演2回)ノミネートされています。

妥協せず自分を貫いて成功をつかむ

ジュリアン・ムーアは役者だけでなくプロデューサーとしても活動していて、本作「秘密への招待状」も、役者兼制作としても参加しているのですが、彼女は自分の仕事に一切妥協しません。

この作品でも出演者が降板したりと紆余曲折ありましたが、ジュリアンはプロデューサーとしてこの作品を絶対に成功させるという熱い思いから、様々な映画関係者と粘り強く交渉したと聞きます。実際ほとんどの人が理想だけでは生きられないですし人生は妥協の連続です。

しかし仕事でも恋愛でも自分を曲げず、人に何を言われようが譲れない時が来ます。そんな時はジュリアンの様に自分を貫くことが成功への近道なのかもしれません。

「秘密への招待状」

(C)ATW D ISTRO, L LC 2019

監督 バート・フレインドリッチ
出演 ジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズ、ビリー・クラダップ、アビー・クイン 他
公開 2月12日(金)TOHOシネマズ シャンテ 他

この記事を書いたひと

コトブキツカサ(映画パーソナリティー)

1973年生まれ。小学生の頃からひとりで映画館に通うほどの映画好き。現在、年間500本の映画を鑑賞し、すでに累計10,000作品を突破。1995年より芸人時代を経て、2010年より「映画パソナリティ」としての活動を開始。近年は、俳優としての顔ももち、ドラマや映画にも出演。活動の場を広げている。

この記事を書いたのは
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